大谷674日ぶり実戦マウンドは大荒れ “投げる”には課題山積
大谷はしかし、その一方で、球速に強いこだわりがある。速い球を投げようとすれば制球が乱れるのではないかという指摘に、「正しいフィジカルで正しい投げ方をすれば、球速は上がり、コントロールもよくなる」と言った。より速い球を投げたくて、投球の際に踏み出す歩幅を広げようとしたこともある。一昨年にメスを入れたのは、手術をしなくても150キロは投げられるが、それ以上に速い球を投げたいからだった。必要以上に球速を求めれば当然、力みが生じるし、フォームも乱れる。「正しい投げ方」ができなくなれば、またしても肘を痛める可能性が生じるうえ、パフォーマンスも低下する。大谷に必要なのはつまり、球速にこだわる考え方を改めることではないか。
「速い球は決して悪いわけではありませんが、それだけで打ち取れるほどメジャーは甘くない。復帰した以上、先発として勝つための投球が求められるのは当たり前のことです。日本ではポテンシャルだけで抑えられていたが、メジャーでは少しでもコースが甘くなったり、高めに入れば簡単にスタンドに運ばれた。手術明けとはいえ、今季の大谷はエース格に位置付けられるだけに、最低限、試合をつくる必要がある。そのためにもスピード以上に制球を重視した意識改革が必要です」(JスポーツMLB中継で解説を務める三井浩二氏)