阪神サイドスロー右腕・青柳晃洋は90年代の川尻哲郎かも
阪神のサイドスロー右腕・青柳晃洋の調子がいい。今季ここまで3試合に先発し、2勝1敗(1完投)、防御率は1・59だ(13日現在)。
青柳は2015年ドラフト5位で帝京大から阪神に入団した。大卒で下位指名だから、当初はあまり期待されていなかったはずだ。サイドスローの技巧派ならあわよくばリリーフで使えるかもしれない、くらいの評価だった可能性が高い。
ところが一軍デビューは1年目の6月と、意外に早かった。しかもいきなり先発に抜擢され、5回1失点で初勝利。その後も先発として起用され続け、4年目の昨季はついに規定投球回数に達したうえで9勝を挙げるなど大躍進を見せた。
■26歳にして「いぶし銀」の風格
阪神には藤浪晋太郎を筆頭に岩貞祐太や秋山拓巳など、若手から中堅の先発投手が他にも何人かおり、この青柳を彼らと比較すると、誰よりも順調に育っているように見える。しかし、青柳が藤浪のように将来のエースとマスコミに騒がれることは少なく、ましてやエース西を脅かすような存在感を発揮することもない。青柳は立派な先発ローテの一角となった今でもなんとなく脇役感があり、26歳の若さながらいわゆる「いぶし銀」の風格さえ漂わせている。