大谷は投球再開まで4~6週間…コロナが右腕をぶっ壊した
エンゼルスは3日(日本時間4日)、大谷翔平(26)がMRI検査を受診し、右肘付近の屈筋回内筋痛と診断されたと発表した。2日(同3日)のアストロズ戦で先発した。
投球再開まで4~6週間を要するが、打者としての出場は可能。4日(同5日)からのシアトル遠征には帯同するという。
大谷は2日(同3日)のアストロズ戦で無安打ながら2個の押し出しを含む5四球と乱調で、1回3分の2を2失点でKO。最速97マイル(約156キロ)を記録した球速は2イニング目になると90マイル(約144キロ)まで低下し、右腕の不調を訴えて試合後にMRI検査を受けた。
渡米1年目の2018年10月に右肘の靱帯を修復するトミー・ジョン(TJ)手術を受けてから1年10カ月。通常、投手が復帰に要する期間は1年半程度といわれるから、時間はたっぷりかけた。
実戦復帰に際しても、チームドクターから「問題なし」とお墨付きを得ているだけに、少なくとも先月下旬の開幕時点では患部に異常はなかったとみられる。
それが開幕から、わずか2試合計1回3分の2に登板しただけで右腕に異常が発生したのはどういうわけか。
「復帰までに要した日数に問題はありませんが」と、元ドジャースのアシスタントトレーナーで、現在はマッサージやトレーニング指導を行う「ルートヴィガー」(東京・港区)を運営する深沢英之氏はこう話す。
「大谷選手に限ったことではありませんが、コロナ禍で3月上旬にオープン戦が中断してから、多くの大リーガーは難しい調整を強いられたはずです。リハビリ途中の大谷選手はなおさらでしょう。中断期間中も、トレーニングやキャッチボール、投げ込みなどを行っていたと聞いていますが、通常の練習とは異なり、緊張感も強度も異なる。エンゼルスのトレーナーから具体的なメニューを指示されたはずですが、TJ手術のリハビリは精神的にも1人で行うのは難しく限界があります。当初、予定していた5月の実戦復帰がずれたこともあり、調整スケジュールが狂って右腕に負担がかかった可能性もあります」