原監督が「巨人不利」でも日本S全戦DHを受け入れた胸算用
もっとも、日本シリーズでのDH制導入は、「巨人不利」との見方が少なくない。前出のOBは、「巨人はただでさえ不慣れな京セラドームで戦う。攻撃、守備面でむしろ、ソフトバンクに有利に働くでしょう」と、こう続ける。
「DH制がなければソフトバンクは、昨年の東京ドームで行われた3、4戦目でデスパイネを左翼、グラシアルを右翼で起用したように、守備を度外視した超攻撃的布陣を組むか、デスパイネや中村、栗原のうち、誰か一人をベンチスタートさせる必要があった。広い京セラドームで守備に不安がある両助っ人を外野で起用するのはリスクが高かった。エースの東浜が故障離脱したのは痛いですが、普段通りの試合運びができるのではないか」
■投手交代の妙がなくなる
とはいえ、原監督とすれば、セの主催試合でDH制が導入される意義を感じているのではないか。
原監督はアマチュア野球の世界でも、レギュラーが9人から10人になることで、「プロ野球を目指そうという人間が増える」とし、打撃に特化した選手を育成し、それがひいては投手のレベルアップにもつながってくると力説している。