阪神・大山の実質本塁打数を「机上の計算」してみると…
阪神の生え抜きでは掛布雅之と岡田彰布以来、実に35年ぶりとなるシーズン30本塁打。その壁を越えるべく、今季は大山悠輔が本塁打を量産したものの、結局28本に終わった。私としては本塁打王を逃したことより、残念でならない。
この30本の手前、28本や29本という数字にはいまいましさすら覚えてしまう。先述の掛布と岡田以来、このへんで涙をのんだ生え抜き打者が何人かいたため、ついその記憶が蘇ってくるのだ。
■今岡、新庄、八木は…
まず思い出されるのは2004年に28本塁打、翌05年に29本塁打を放った今岡誠。全盛期の今岡がいかに天才(奇才?)的な打者であったかは、ここでは詳しく触れないが、とにかくこの2年間は30本の壁というものを強く感じさせられた。
しかし、今岡は03年に首位打者を獲得しているように本質的には打率重視の中距離ヒッターだったから、入団当初からザ・大砲タイプの大山とはそもそもの期待値が異なる。むしろ、当時は今岡の本塁打増に意外な喜びを感じていたため、30本に届かない悔しさは大山ほどではなかった。