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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

MLBが自治体の要望退けスプリングトレーニング突入の裏側

公開日: 更新日:

 もちろん、機構側も感染症対策を入念に行っている。2月10日に機構と選手会が合意した感染症対策の手引書には、医療機関や保健当局との協議の上で最新の新型コロナウイルス対策を策定することや感染管理担当者とコンプライアンス責任者の配置などが明記されている。

 対策を順守しなかった場合に処罰の対象となる点は、コンプライアンス責任者にゼネラルマネジャー補佐以上の役職者を任命することを求めている点と併せ、球界全体として感染症予防に努める姿勢を打ち出している。

 また、スプリングトレーニングについても、選手らに参加に先立って5日間の自主隔離を課しており、各自治体の懸念に配慮した形だ。

 スプリングトレーニングを予定通り行うよう強硬に要求していた選手会としても、こうした対策が講じられることで日程の変更が回避できるのなら、機構との合意を拒む理由はなかった。

 昨年、選手会は公式戦の削減による年俸の減額を巡り機構や球団経営陣と激しく対立した。スプリングトレーニングの延期は公式戦開幕日の延期をもたらし、最終的に再度の試合数の削減と年俸の減額につながりかねなかった。

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