巨人原・桑田の完投倍増計画 守護神離脱でもビクともせず
並の球団なら一大事だろう。巨人のルビー・デラロサ(32)が左足小指を骨折。昨季、チーム最多の17セーブを挙げた剛腕が開幕を3週間後に控えて離脱したにもかかわらず、首脳陣に大きな動揺はないという。
今季は左腕の中川が抑えを務めるとはいえ、デラロサはそれにつなぐセットアッパーを担うはずだった。ライバル球団のスコアラーは、「普通なら頭を抱えるところですが、代わりがナンボでもいる球団ですからね。右の鍵谷、桜井、大竹。左の高梨、大江とリリーフには実績も経験もある駒が揃っている。(5日には)故障で昨季終了後に育成契約になっていた高木京介も支配下契約を結んだ。デラロサが復帰するまで、十分にしのげるという算段でしょう」とため息である。
そもそも今季の巨人はリリーフに依存しない方針だ。新任の桑田投手チーフコーチ補佐が先発投手に課す「1試合135球」の“ノルマ”がもてはやされているが、実はこれ、原監督の強い希望によるものでもある。
「巨人の昨年の完投数は菅野が3試合、畠が1試合だけ。チーム4完投はリーグのワースト2位タイ(トップは中日の11完投)で、原監督はこれが大いに不満なのです。中5日、中6日の登板間隔を空けながら、100球そこそこ、6回あたりで当たり前のようにリリーフを仰ぐ今の野球に疑問を感じている。だったら中4日で回すぞ、と言ったこともある。先発投手がどんどんひ弱になっているという実感があり、それを桑田補佐に代弁させている格好です。今の現役世代には桑田補佐の言葉は影響力を持つ。誰もが驚いた桑田招聘の一番の目的はそこです。先発投手に1イニングでも長く投げるという意識を植え付け、最低でも完投数を昨年の倍にするつもりのようです」(チーム関係者)
原―桑田のコンビで今季は間違いなく先発投手を1イニングでも長く引っ張る。菅野や戸郷、新人の平内らがその方針に応えることができれば、確かにデラロサの離脱など痛くもかゆくもない――ということになりそうだ。