白鵬が捨て身技で229日ぶり白星 狙うは“休場のための優勝”
延命のためならエンヤコラ、である。
昨年7月場所以来、4場所ぶりに土俵に上がった横綱白鵬(36)。14日の初日は先場所V力士の大栄翔を下し、白星発進となった。
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注目の一番、白鵬が立ち合いで選択したのは右の張り差し。大栄翔の動きを一瞬止めると息をもつかせぬ寄りで、あっという間に土俵際へと追い詰めた。突き落としで逆転を狙う大栄翔に対し、白鵬は全体重をかけて自分の体ごと相手を土俵外に寄り倒した。
時間にして3秒足らず。まさに瞬殺だが、この取組を見守ったある親方は「危険な相撲だね」と、こう続ける。
「大栄翔は押し相撲が身上。特に回転の速い突っ張りを武器にしている。だからこそ、相手の相撲を一切させずに勝ちたかったのだろうが、最後の寄り倒しは一歩間違えれば自分もケガしかねない捨て身技。むしろ、ああいう相撲でしか勝てない白鵬の苦しさが垣間見える」