東京五輪に暗雲…菅首相に突き付けられる4.16“土下座”訪米
菅首相は15~18日の日程で訪米し、16日にバイデン米大統領と首脳会談を行う。バイデン大統領が迎える初の外国首脳だ。政府は「米国が日本を極めて重要視している証し」(加藤官房長官)と胸を張るが、手放しで喜んでいる場合ではない。東京五輪の開催を“人質”に取られ、米国から足元を見られて、ムリな要求を突き付けられかねないからだ。
日米首脳会談のメインテーマは「気候変動」だが、菅首相は東京五輪の開催支持も取り付けるつもりだ。しかし、いくら開催を強調しても、国内の新型コロナウイルスの感染拡大を抑えられていない。
ボロボロの感染状況での聖火リレー強行には、国際社会も冷ややかだ。とうとう、国際水泳連盟(FINA)は、東京と福岡で開かれる予定だった五輪最終予選の3大会を中止にしてしまった。
FINAは2日、飛び込み、アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)、オープンウオーター(マラソンスイミング)の3種目の最終予選中止を発表。英BBC(電子版)によると、FINAは関係者への文書で、日本政府を「(競技の)公平さを担保するために必要な措置が講じられていない」と批判したという。感染対策や費用負担で折り合いがつかなかったとみられている。
感染拡大が続けば、他の競技でも中止論が広がる可能性がある。大会本番を迎えられるか、さらに暗雲が立ち込める。そんなムードを払拭するためにも、菅首相はバイデン大統領から五輪支持の言質を何が何でも取り付けたいはずだ。
しかし、そう簡単に思惑通りにいくのかは疑問である。