藤浪が甲子園1450日ぶり勝利も…制球難克服へ早くも正念場
ヤクルト相手の試合ということもあったのかもしれない。藤浪は2017年4月の京セラドームでのヤクルト戦で畠山の頭部付近に死球を与え、両軍入り乱れての大乱闘に発展した。これがトラウマとなり、以降は極度の制球難に苦しむことになったともっぱらだった。評論家の高橋善正氏は、「以前から指摘されていることだが、やはりメンタルの問題というしかない」と、こう続ける。
「今季は、例年よりはだいぶ状態がいいと思う。彼ほどの球威と球速があれば、ストライクゾーンに投げさえすれば、15勝くらいしてもおかしくない。その実力があることは、ここまでの投球で証明された。たとえ制球が安定しなくても、勝ち星がつくことで自信を積み重ね、メンタルを克服するケースもよくあるが、前回登板で今季初勝利をマークした上での、この日の投球内容だけに、やはり、トラウマが根深いのでしょう。以前から、甲子園のヤジにもずっと苦しめられていましたしね。これはもう、投げ方うんぬんの問題ではない。自分自身にとことん向き合い、克服するしかない。どんなことでもいいから、これさえやればボールを制球できる、いい投球ができると思えるような確固たるルーティンをつくり、これを崩さないことも必要かもしれません」
藤浪は早くも迎えた正念場を乗り越えられるか。