前田大然「東京五輪で活躍したんだよ」と娘に自慢したい
が、2020年に入って予期せぬコロナに襲われた。
マリティモの本拠地は離島・マディラ島。クリスティアーノ・ロナウドの故郷として知られるが、日本人はほぼ皆無。当時22歳の前田は、妻と0歳の娘とともに現地で暮らしていたが、リーグ戦が中断。ロックダウンも続き、不安と戸惑いの連続だった。
筆者が何度か様子を尋ねると「大丈夫です」と答えていたが、実際のところは計り知れないストレスを抱えていたようだ。
「ポルトガルにいた時は『何かあったらどうしたらいいのか』という気持ちで生活していたので、本当に大変でした。まずは安全が一番。どれだけサッカーが好きでも、海外挑戦を続けたくても、やっぱり家族最優先」と腹をくくった彼は6月末に帰国。8月に横浜Mへのレンタルに踏み切った。 その後、半年間はポステコグルー監督の細かい戦術理解に苦しみ、23試合出場3得点という数字にとどまったが、今季は完全移籍へ移行。
「去年は不甲斐ない結果やったんで、収穫も正直、なかった。『今季こそは』って気持ちで挑みます」と新たな意欲を胸に2021年を迎えた。