監督就任後 チーム4年ぶりの主将に福田周平を指名した理由
■「遠慮せず、どんどん意見してくれ」
福田は1年目の後半から二塁レギュラーに定着。プレーはひたむきで向上心があり、食事の席で会話をしたり周囲の話を聞いたりしても、先輩、後輩を問わず、自分の考えをハッキリと言える性格だと感じていた。広陵高、明大、大学日本代表で主将を務め、名門のNTT東日本でプレーした経験も買った。「1、2番」と「二遊間」の固定を考える中で、福田に「1番・二塁」としてチームの先陣を切ってほしいとも思っていた。
就任直後の18年の秋季練習で、「2年目だからと遠慮することなく、年上の選手にもどんどん意見を言ってくれて構わない。何かあったら、いつでも俺のところに話をしに来てくれ」と打診。福田は「やります」と快く引き受けてくれた。
福田はその年、135試合に出場し、打率.250、2本塁打、38打点、30盗塁をマークした。主将を全うしようという姿勢は伝わってきた一方で、負担をかけてしまっているとも感じていた。
シーズン終了後、本人には「プレッシャーもあっただろうし、来年は楽な気持ちでプレーで思い切り引っ張ってくれ」と主将から外し、新たな主将は置かなかった。
福田は今季、5月に一軍昇格するや「1番・中堅」に定着し、3割を大きく超える高打率を挙げている。打撃はしぶとく、左打者でありながら19年には左投手相手に打率.366をマークしたように、左投手に強い面もある。主将の経験を今後の糧にしてくれたら、この上ない。 (つづく)