1994年にJFAの会長に就任した長沼健(1930年9月生まれ。広島県出身。日本代表監督として東京五輪に出場。メキシコ五輪銅メダル。元JFA会長。2008年6月死去。享年77)は加藤の提言を却下し、加茂監督の続投を決めた。
俗にいう「腐ったミカン」事件である。
加茂監督続投の会見で普段は温厚な性格で知られる長沼会長が「W杯の出場を逃したらどうするか」というジャーナリストの質問に「加茂でW杯に行けなければ、私が(会長を)辞めます」と気色ばみながら答えたことは正直、意外だった。
裏を返せば、W杯出場が夢物語ではなく、現実的な目標に変わっていたことを意味していた。
(この項つづく)