衰え顕著な横綱・白鵬にさっさと引導を渡せない角界のお寒い現状
経験値と技術の差をこれでもかと見せつけた。
横綱白鵬(36)が5日、遠藤と対戦。初日は明生に苦戦し、八角理事長(元横綱北勝海)も「重さが違う」と話していた。以前の白鵬なら組んだだけで相手を動けなくしていたが、現在はそうではないという意味だ。
さらに遠藤は角界随一の相撲巧者。白鵬との対戦成績はこの日まで2勝13敗ながら、何度もその技で苦しめている。
昨年1月場所は白鵬の投げを切り返し、あおむけにひっくり返して金星を獲得した。
それだけに「白鵬危うし」のムードが漂っていたものの、結果は……。
立ち合いから張り手を飛ばして距離を取る白鵬と、応酬しながらも冷静に観察する遠藤。白鵬が隙を突かれて前まわしを許した瞬間は、誰もが横綱の負けを疑わなかったはずだ。しかし、白鵬は即座に遠藤の右手を絞って体勢を崩し、上手出し投げ。一瞬ですべてが逆転した。
「確かに今の白鵬は以前に比べて力強さは皆無。昨日も今日も、一歩間違えれば負けていてもおかしくない。でも、そこで勝てるのが白鵬です。おそらく、終盤の流れは意図したものではなく、体が自然と動いたのでしょう。わずかでも反応が遅れていたら、そのまま頭を付けられて寄り切られていた。体に染みついた経験と技のたまものですよ。ただ、衰え顕著な横綱に勝ち切れない力士の不甲斐なさ、努力不足も否定できない。全盛期の白鵬なら、そもそも隙を突かれて前まわしを与えるなんてなかった。この様子では、白鵬に世代交代を迫れる力士はそれこそ照ノ富士くらいしかいないのではないか」(ある親方)