新庄さんの驚くべき視力! センターから三塁ベンチ上方の知人と「アッチ向いてホイ」
小島克典(元メジャーリーグ通訳)#5
2002年、新庄さんがジャイアンツでプレーしていたときのことだ。
本拠地パシフィック・ベル・パーク(現オラクル・パーク)には、新庄さんの知人友人が観戦に訪れることがあった。新庄さんは試合中、中堅の守備位置から三塁側ベンチの上方にある家族席で観戦する彼らの様子を見ていた。試合後、「試合中、手を振って大騒ぎしてただろう」「ウソ~、センターから見えるはずがないだろ」「ホントだって。なんならアッチ向いてホイをやってみようか」といったやりとりの翌日、本当にアッチ向いてホイをやってのけたことには心底、驚いた。
スタンドの知人が中堅を守る新庄さんのしぐさを見分けることはできても、中堅の守備位置にいる新庄さんが、スタンドの大勢のファンの中から知人を見つけるのは至難の業。なのにその知人の指がどっちの方向を向いているかまで、見極めていたのだ。
僕がベンチで、無意識のうちに無精ひげを抜いていた姿も見逃さなかった。
攻守交代で中堅の守備位置から戻ってきた新庄さんに、「コジ、アホ面して、ひげなんか抜いてるとテレビに抜かれるよ」と言われてビックリしたことがある。