ヤクルト高津監督は守護神の第1戦3失点を責めず 逆転日本一へ“初志貫徹”でチームに一体感
■原監督なら即・守護神交代だろうが…
対照的なのは同じセ・リーグの巨人・原辰徳監督(63)ではないか。さる球界関係者がこう言った。
「今季抑えを任せたデラロサやビエイラでも、九回に打たれれば、すぐに中川、畠、鍵谷、高梨といった中継ぎ投手と交代。その試合に勝つための最善策を取ることに特化した監督で、この試合は任せたといった考えやクローザーのプライドは全く考慮しない。『実力至上主義』の方針のもと、シーズン中にデラロサからビエイラに抑えの座もチェンジしています」
前出の川崎氏が続ける。
「初戦を落としたことで逆に、ヤクルトはチームがまとまる可能性があります。9月13日の中日戦で審判の誤審疑惑で落とした試合があった。嫌な敗戦だと思ったら、翌日から4分けを含む9連勝。2敗した後も7連勝と破竹の勢いで勝ちまくり、リーグ優勝を手繰り寄せた。高津監督は人を大事にする指揮官なので、チーム全体に誰かのミスをカバーしようという土壌がある。マクガフを戦犯にしないためにも、一体感が増すかもしれません。強かった90年代の西武は、1、2戦は様子見で入って3戦目から一気にまくり返してきた。日本シリーズはこれからです」