世界中でコロナ再拡大でも…北京五輪開催が中国国民から歓迎される意外な“お家事情”
現在の中国は8月中旬などに1日の新規感染者数が100人を超えた日もあったものの、その後は2ケタ台をキープ。厳しい管理体制が維持された“安全地帯”に、北京五輪で万単位の選手や大会関係者、報道陣が世界中から押しかけるのだ。日本がこの状況ならば、まず開催中止を求める声が上がるだろうが、前出の近藤氏がこう続ける。
■世界の監視下に
「まず、“北京五輪”の多くの競技は北京市街から約75キロ離れた延慶ゾーンと約180キロ離れた張家口ゾーンで行われます。日本でいうと富士山麓で行われるようなイメージです。もうひとつは、規制緩和への期待です。近頃は習近平主席の偶像崇拝をさせたり、ゲームのプレー時間を大幅に規制したり、見せしめのように著名人を逮捕するなど、当局の締め付けがかなり厳しくなっています。しかし、北京五輪によって世界から注目される状況では、共産党は好き勝手なことができなくなる。特に若い世代はこの期間、共産党の学習などを強制されることがなくなるのではと期待しているんです。全体的に中国国民にとって、北京五輪のおかげで束の間の平和な雰囲気が訪れるわけです」
特殊なお国事情があるというのだ。