世界中でコロナ再拡大でも…北京五輪開催が中国国民から歓迎される意外な“お家事情”
「国民の命を何だと思っているんだ」「人命を優先すべきだ」
東京五輪では開催直前までネット上で怒りの声が吹き荒れていた。朝日新聞が5月に行った世論調査では今夏の開催を望まない声が80%に達するなど、未知のウイルスにより平和の祭典が歓迎されなかったのは記憶に新しい。
開幕まで2カ月を切った北京五輪を前に、世界の現状は再び悪化し始めている。12月10日時点での各国の新規感染者数を見ると、米国は16.5万人超、イギリスは5.8万人超、ドイツとフランスはともに5.3万人超、ロシアは3万人超。死者数は合計4000人を超えている。一時は鎮静化されたかに見えた新型コロナウイルスが世界中で息を吹き返しているのだ。
さらに、11月末には過去に大流行したどの変異株よりも圧倒的多くの変異部分を持つオミクロン株が見つかった。高い感染力や宿主の免疫機能が効きにくいことが懸念されるこの変異株は、現在流行中のデルタ株に取って代わるとみられている。
しかし、「中国国内で北京五輪の開催に反対する声はほとんど出ていない。むしろ歓迎されているくらいです」とは、中国事情に精通する国際ジャーナリストの近藤大介氏。