あるか阪神・藤浪の救済トレード 日ハム新庄監督「俺のところに来たら化ける」は渡りに船

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阪神サイドにもきちんと根回しをしているようです」(阪神OB)

 9日、日本ハム新庄剛志監督(49)が新人合同自主トレを視察した際、初の対外試合となる2月8日の阪神との練習試合について言及。かつて共に阪神のユニホームを着た矢野燿大監督(53)と、「何かできたらいい。監督、代わりますか? そうしたら、相手の良さ悪さがわかるでしょ」と、お互いにベンチを入れ替わり采配をするという規格外のプランをブチ上げた。

 あくまでリップサービスかもしれないが、阪神との「共闘」は単なる思いつきではないという。

■矢野監督と打ち合わせ

「新庄監督はもともと矢野監督との関係が良好。すでに関係者を交えて、『2.8』のファンサービスについてアイデアを出し合っています」と、前出の阪神OBがこう続ける。

「何をやれば一番盛り上がるか。そこで想起されるのが2003年2月11日。その年から沖縄・宜野座キャンプをスタートさせた阪神の星野仙一監督が、同じく沖縄市でキャンプを行う盟友の広島・山本浩二監督とタッグを組み、広島のキャンプ地で練習試合を行った。普段は300人程度の観衆で、警備員も1、2人程度だったが、その日は入場無料ということもあって1万5000人を動員。管轄の沖縄署が40人の警官を配備、交通規制も行うなど大盛り上がりだった。さらに、CS局の生中継で星野、山本両監督が解説席に座り、トークも展開。その年、FAで広島から阪神へ移籍した金本知憲は出場しなかったが、当時現役だった矢野監督はその時のことをよく覚えているはず。『新庄VS矢野』のトークバトルなど、ファンが喜ぶプランが実現するのは間違いない」

 新庄監督といえば昨年12月31日、日本ハムOBの岩本勉氏のユーチューブチャンネルに出演した際、「欲しい選手、1人いる。阪神の藤浪君。俺のところに来たら化ける」と発言し、物議を醸した。

 藤浪は入団1年目から3年連続2ケタ勝利を挙げたものの、近年は極度の制球難により、不振が続いている。球界では「環境を変えるしか復活の道はない」という声があるとはいえ、一球団の監督が名指しでトレード願望を公にするのは異例。阪神内では反発の声が出ているとの向きもある。

 ただ、くだんの動画のコメント欄を見ると、「阪神ファンとしては、藤浪をトレードしても、日ハムが出せそうな範囲の中で欲しい選手がいないのよな。それにまだ阪神ファンは藤浪に期待してる」といった否定的な声がある一方で、「プロ野球界の為にも、藤浪投手を新庄ビッグボスに預けるのは面白い。阪神さん、短期契約でも良いから、ビッグボスに預けて欲しいです」「藤浪くん日ハムで見たいなー! トレードになりそうな選手が余りいないのが…金銭では無理でしょうか…」などと好意的なコメントも散見された。

阪神球団はファンの反発を恐れる

 前出の阪神OBは「藤浪のトレードは親会社、球団の腹ひとつです」と、こう続ける。

「複数球団がかねて、藤浪のトレードを模索し、水面下で打診した球団もある。当の藤浪も11日、最大のライバル球団である巨人菅野智之との自主トレを公開。投球フォームなどについて積極的に質問した。復活に向けて自ら環境の変化を求めているし、現場も再三のチャンスを与えながら復活の兆しが見えず、扱いに手を焼いているのも確か。新庄発言はむしろ渡りに船といっていい。しかし、親会社、球団はメンツや体裁を気にしてか、甲子園のスターでドラフト1位の藤浪のトレードには消極的。チーム屈指の人気者を放出することで、ファンの反発を招くことを恐れているのです」

 その一方でファンによる「藤浪擁護」の風潮は徐々に変わりつつある。マウンドに上がるたびに、復活を夢見るファンの拍手喝采を浴びていたものの、昨季は開幕投手を任されながら結果を残すことができなかった上に、チームが優勝争いを繰り広げたこともあって、「一軍で投げるレベルではない」といった批判の声が少なくなかった。球界関係者がこう言う。

「ファンの反応は賛否はあれど『環境を変えてやるべき』と放出を好意的に捉える意見もある。近年のプロ野球界はくすぶっている選手にチャンスを与える目的のトレードも増えています。まして新庄監督は固定観念にとらわれず、自由な発想をするし、日本ハムは阪神とはチームカラーもファンの気質も違う。それに新庄監督は自身の発言に関して、きちんと計算している。批判覚悟でトレードを要望したことで、ファンの藤浪に対する捉え方が変わるようなら、トレードに否定的だった親会社や球団の考え方が変化するきっかけになるかもしれません」

 新庄監督が本当に藤浪に救いの手を差し伸べる可能性はあるというのだが……。

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