ナ・リーグDH制採用も喜べず…“二刀流”大谷翔平「打席数」増える吉と凶
労使交渉が難航する大リーグ機構(MLB)と選手会が歩み寄りである。
MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは日本時間11日、オーナー会議が行われたフロリダ州オーランドで会見し、遅延が危惧される春季キャンプ、レギュラーシーズン開幕について「予定通りプレーするために合意できると信じている」と楽観的な見通しを示した。
年俸総額などの金銭面に関する主要議題に関しては平行線をたどっているが、選手会側が要求したナ・リーグのDH制採用に合意したという。
両リーグで指名打者が使えるようになれば、投打の二刀流をこなすエンゼルス・大谷翔平(27)の打席数は増える。これまで大谷は敵地での交流戦では代打など出場機会が限られ、昨季は155試合で639打席。本塁打王を争ったゲレロ(698打席)、ぺレス(665打席)、セミエン(724打席)と比べても大幅に少なかった。今季、ライバルと同等の打席数を確保できれば理論上、一発を放つ可能性は高まる。
もっとも、喜んでばかりもいられない。出場機会が増えれば、それだけフィジカルへの負担につながるからだ。昨季の大谷はインターリーグが休養になったのだろう。直後の4カード14試合で打率.241ながら5本塁打、7打点、投げては2勝1敗と結果を残した。
今季の大谷は投打に加えて、外野手として起用される見込みだ。ただでさえ二刀流は体力の消耗が激しいだけに故障リスクは高まるし、打席増は逆にマイナスになりかねない。
ジョー・マドン監督は二刀流のコンディションに悩まされそうだ。