坂本花織にのしかかる「お門違い」の重圧 ワリエワ薬物問題で世界中から過剰な大絶賛

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■「カオリは我々の唯一の希望」

 米国代表マライア・ベルのコーチを務めるアダム・リッポンはSP後、「今夜は日本人の女性スケーターが最高だった。暗雲垂れ込める中、光になってくれた」とツイートすれば、米国のフィギュア記者、ジャッキー・ウォンは「カオリは我々の唯一の希望」とまで言ってのけた。元フィンランド代表のキーラ・コルピに至っては「坂本と(5位の)樋口がSPの女王だ!」と、ロシア勢をいないかのように扱っている。

 当然ながら、こうした絶賛はロシア勢憎しの裏返しだろう。禁止薬物の摂取が判明したワリエワが出場停止にならなかったことで、世界中から非難囂々。ロシアは14年ソチ五輪での国家ぐるみのドーピングが判明し、現在も「ロシア・オリンピック委員会」(ROC)としての出場を余儀なくされている。しかもワリエワはまだ15歳の子供とあれば、いまだに国ぐるみの組織的なドーピングが行われていると思われても仕方がない。

 大会に出場している選手も不信感を隠していない。米国代表でSP8位のアリサ・リュウはあくまで一般論としながらも、「違反を犯した選手とクリーンな選手が競うのはフェアではない」と、心情を吐露している。

 そんなロシア勢に唯一対抗できる存在として、有形無形の期待を集める坂本。きょう17日のフリーでは、本来背負う必要のない重圧に足を引っ張られなければいいが……。

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