巨人開幕ダッシュ成功も“不吉なデータ”がズラリ…昨季は「4月貯金6→10月10連敗」
「あの年の投手陣は、北別府さん、川口、大野、長冨、佐々岡らの主力がほとんど30代でした。好調だった4月はほぼ二軍に電話がかかってこなかったのに、ベテランの馬力が落ち始めた5月になると、5連敗2度など負けが込み始めた。すると『誰かいい投手はおらんか?』と電話が鳴りやまなくなりました。今の巨人はこの時と正反対。先発陣に赤星、堀田、抑えに大勢と経験のない若手がズラリ。1年を通じて働けるかは未知数で、これはこれで心配です。この年のカープも巨人同様、強力打線でしたが、投手陣が崩れるとチームも崩れます」
93年の広島の一軍は、古沢憲司、山本和行の両氏が投手コーチを務めていた。川端氏が続ける。
「負け始めると2人の投手コーチがコミュニケーションを取る機会がどんどん減った。一軍のある主力投手から『2人の言っていることが全然違うので……』と電話がかかってきたこともありました。山本浩二監督も困ったでしょう。今の巨人は元木、阿部、桑田とチーフコーチ3人体制だけに、負け始めた時にぶつからないとも限らない。原監督を含め、コーチ同士がコミュニケーションを密にできるか。今状態がいいということは、裏を返せば、勝負どころの秋にみんな落ちてくることも考えられます。昨年の巨人も4月まで貯金6でしたが、10月に10連敗を喫しています」
そうでなくても、巨人は坂本や菅野といった30代の主力に故障持ちが多く、中継ぎ陣にも不安を抱える。スタートダッシュはしても、原監督は「勝って兜の緒を」の心境ではないか。