開幕9連敗で矢野阪神に打つ手なく…レッズ秋山&レンジャーズ有原“W獲り”ついに始動
日本人メジャーリーガーの動向が注目されている。
4日、レッズの秋山翔吾(33)が開幕ロースター(28人)から外れた。秋山は2019年オフに西武から海外FA権を行使し、3年総額2100万ドル(約25.7億円)でレッズと契約した。しかし、1年目から打撃不振が続き、契約最終年の今季もオープン戦7試合で22打数4安打、打率.182と結果を残せなかった。
このままマイナー行きを拒否すれば、現地時間7日に予定されているメジャーの開幕までに40人枠からも外れて戦力外となる見込み。その後、ウエーバーで獲得する球団がなければFAとなり、日本も含めた移籍先を探すことになる。本人は今後について、「いろんなところでやる選択肢は出てくると思う。後悔のないような決断をしたい」と話している。
秋山に加えて、20年オフに日本ハムから2年総額620万ドル(約7.5億円)でレンジャーズ入りした右腕の有原航平(29)も、今季はマイナー契約を結んで招待選手としてキャンプインしたが、オープン戦でアピールできず、マイナー落ちしている。
かねて現地メディア関係者は、「秋山と有原は、シーズン途中の日本球界復帰もあり得る」と指摘していた。一花咲かせるために米球界に残るか、日本球界復帰を目指すかは本人たちの腹ひとつだが、2人がFAとなれば今季の年俸はそれぞれの現所属球団が負担するため、日本の複数の球団が以前から水面下で調査を継続している。
阪神は助っ人7人中6人が機能せず
そこで、開幕から9連敗を喫する阪神である。
阪神は昨オフ、抑えのスアレスと、中軸を担ったサンズが退団。その一方で、昨季から2年契約を結んでいるロハス、アルカンタラ、チェンを残留させるとともに、マルテ、ガンケルと1年契約を結んだ。
しかし、新戦力の補強はスアレスの代役として獲得した右腕のケラー(1年約1.35億円)、先発候補のウィルカーソン(1年約8000万円)の2投手のみにとどまり、野手の補強はゼロだった。
助っ人7人の年俸総額は約13億円。大金がかかっているとはいえ、毎年のように国内FA選手を含めた大型補強を行ってきた阪神にしては、やけにおとなしかった。球団OBが言う。
「佐藤輝ら生え抜き選手がレギュラーに定着しつつあるといっても、矢野監督自身、戦力ダウンを覚悟していた。オフの時点で今季限りでの退任が決まっていたことや、矢野監督の『後ろ盾』で編成トップだった谷本副社長が電鉄本社へ復帰することが影響しているのかもしれません。今の阪神は一軍未登板のウィルカーソンはさておき、助っ人7人中6人が故障や不調で戦力になっていない。補強は急務です。このまま矢野監督が途中休養したとしても、球団は継続する。何も手を打たないようなら、希望も何もあったもんじゃない」
そもそもフロントは昨オフ、今季もコロナ特例で外国人選手登録枠が5人に増えることや、MLBの労使交渉決裂によるロックアウトが長引いたこともあり、8人目の助っ人獲得を視野に入れていたといわれている。
「さすがにフロントも重い腰を上げるしかないでしょう。阪神はチームが勝てなくなったり、監督問題が起きたりしてマイナス要素が目立つと、臭いものにフタではないが、補強などの人事でファンやメディアからの批判をかわしてきましたからね。そうでなくても秋山、有原の2人は当然、調査対象に入っている。有原を獲得できれば先発投手不足を解消できますし、秋山も西武時代は高打率をマークし、コンスタントに2ケタ本塁打を打っていた。貧打解消の起爆剤になるだけでなく、守備力も高いので、ザル守備の改善にもつながる。今の外野は左翼レギュラーが不在。もしくは、開幕数試合しか経過していないのにケガで二軍落ちした当てにできないマルテに代わって大山を一塁で起用、右翼の佐藤輝を三塁に固定すれば、秋山を右翼でも起用できます」(前出のOB)
藤原崇起オーナーはこの日、報道陣に対応。緊急補強について、「嶌村球団本部長を中心にいろいろ考えていると思う。必要とあればバックアップしていく体制に変わりない」と話したという。
このまま手をこまねいていたら、浮上の目は見えてこない。