開幕9連敗の阪神ベンチ裏ゴタゴタ全情報!コーチ選手が矢野監督にソッポ、内部崩壊の兆候

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「スアレスの穴が大きい。戦力ダウンは必至だ」

 阪神は3日の巨人戦に敗れ、セ・リーグ史上ワーストを更新する開幕9連敗。試合終了直後、足早にベンチ裏へと消えた矢野燿大監督(53)は開幕前からこうボヤいていたという。

■笛吹けど踊らず

 指揮官の懸念はいきなり開幕戦で露呈した。

 抑えに指名した新助っ人右腕のケラーが大炎上。7点差からの逆転負けを喫し、チーム全体が意気消沈。出足からつまずいたことが9連敗の大きな要因となっているが、このままなら矢野監督の途中休養も時間の問題だ。

 矢野監督はキャンプイン前日に全体ミーティングで今季限りでの退任を表明。フロントや一部の首脳陣、選手は事前に知らされていたようだが、阪神OBは、「負け続けることで案の定、求心力が低下しているようだ」と、こう続ける。

「この日の試合後、『(5日からの)甲子園から出直しだ』と選手にハッパをかけた井上ヘッドは開幕5連敗した広島戦後も、『下を向かず、タイガースらしく明るくワイワイやろう。それを勝ちにつなげよう』とゲキを飛ばした。しかし、肝心の総大将(矢野監督)がベンチで借りてきた猫のように精気を失っている。この日も、北川打撃コーチが円陣を組むシーンがテレビ中継に映し出されたものの、声を張り上げていたのはコーチだけ。『笛吹けど踊らず』とはまさにこのことです」

■ケラー抑えで意見相違も

 その首脳陣も、矢野監督が今年で辞めることで、「次の監督は誰になるのか」「来年は誰をコーチに呼ぶのか」と人事のことが気になっているのも事実。今年で辞める監督に対して必死になって付いていくのか、との疑問もある。前出のOBが言う。

「それで言えば、ケラーの守護神抜擢を巡って、矢野監督と投手コーチとの間で意思疎通が図れていたのか、疑問を感じます。ブルペンを預かる金村投手コーチはケラーの抑えについて、3月22日、23日の二軍戦で連投テストさせた上で最終決定するとしていたが、矢野監督は22日に1試合投げただけで抑え起用を明言した。金村コーチはもともと、八、九回はセットアッパーや抑えの経験者が担うべきとの考えがあり、ケラーの起用に慎重だったようです。実際、ケラーは3月上旬に来日したばかりで、開幕前の実戦は4試合、3回3分の2しか投げていなかった。調子が万全ではなく、2試合連続で打ち込まれた。しかも矢野監督はその2試合だけでケラーに見切りをつけて二軍に落とし、代役には抑え経験がない4年目右腕の湯浅(22)を指名した。こんな起用をしていたら、コーチの信用を失いますよ」

 選手間でもなかなか意思統一が図れない様子が見受けられる。この日、5点ビハインドの六回に2ランを放った糸井はベンチに迎えられるや、本塁打を打った際に授与される「虎メダル」を左手に持ったまま首にかけず、厳しい表情を崩さなかった。

 1日の巨人戦で矢野監督は、攻守に精彩を欠いた遊撃の中野を「気持ちを感じない」として四回の守備から懲罰交代させた。試合後、一部主力選手間で首脳陣抜きの緊急ミーティングを行い、丁々発止、意見をぶつけ合ったそうだが、泥沼から抜け出せない。

「退くことが起爆剤に」

「矢野監督に対するフロントのバックアップ体制にも問題がある」とは、放送関係者。

「矢野監督が今季限りで辞めるとわかっていたからか、補強に消極的だった。メジャーとの争奪戦になったスアレスの引き留めに失敗すると、中軸を担い、後輩選手の面倒見も良かったサンズまで放出した。しかし、補強したのはケラー、ウィルカーソンの2投手と、ソフトバンクを戦力外になった左腕の渡辺だけ。野手は一人も取らなかった。カネをかけなかった要因は、昨季から2年契約を結んでいるロハス(250万ドル=約3億円)、アルカンタラ(200万ドル=約2.4億円)、チェン(前同)という3人の高額年俸助っ人が足かせになっているから。彼らが全く活躍しない上に、1年契約で残留させたマルテも開幕から精彩を欠き、右足コンディショニング不良で二軍落ち。この日の巨人戦で今季初先発し、4失点KOされたガンケルも、キャンプから度重なる腰痛に悩まされている。編成、国際担当の責任も大きいですよ」

 2010年、開幕から低迷が続いていたヤクルト高田繁監督は「進むも地獄、退くも地獄だ」と嘆き、「俺が退くことでチームの起爆剤になれば」と5月下旬に途中休養した。

 小川淳司ヘッドコーチが監督代行に就任するや、チームは10連勝を飾るなど最大19あった借金を完済。最終的に4つの貯金をつくった。

 両チームとも他球団と比べて戦力が枯渇していないことは共通している。矢野監督の決断やいかに──。 

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