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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

CS争いよりも消化試合に期待 阪神が下手に3位なんかにいるから楽しめない

公開日: 更新日:

 そもそも阪神と在阪マスコミのゆるゆる関係を考えると、矢野監督の退任発表があれだけ早かったにもかかわらず、よくこの9月まで次期監督情報のスッパ抜きや、阪神お得意のお家騒動が最小限に抑えられてきたものだ。

 一部マスコミでは岡田彰布元監督、平田勝男二軍監督、若手では藤川球児氏、鳥谷敬氏の名前が次期監督候補として挙がっているものの、どれもまだ決定打とは言えなさそうだ。個人的には岡田監督再登板を経てからの藤川氏、鳥谷氏への世代交代がいち押しだが、こうなったら早く決定してもらって、来季に向けて本格的に切り替えたい。

■消化試合ゆえの起用

 だから厄介なのは、なんだかんだ言ってチームがまだ3位にいることなのだ。借金持ちの3位だから気分はまったく高揚しないけど、現行制度ではそれでもクライマックスシリーズ出場権を得てしまう。これが5位や6位だったら堂々と来季に目を向けられるが、下手に3位なんかにいるから消化試合を楽しめない。

 消化試合というのは決して悪いことばかりではない。消化試合だからこそ選手は個人成績だけにこだわれるし、中途半端にマルテやロハス・ジュニアを使うことなく、ファームの4番・井上広大をじっくり一軍で起用できたりする。こういうシーズンの終盤は消化試合こそが日々の楽しみであることを90年代の暗黒時代が教えてくれたのだ。

 そんなわけで、今季のCS争いはどうにも気が重い。もし阪神がCSに出場することになったとしても、どうか来季のために主力の酷使を控えてもらいたい、と思ってしまうほどである。

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