意外と知られていない「親方のお仕事」 巡業中の宿の部屋の割り振りもひとりで
本場所では親方全員に何かしらの仕事が割り振られていますから、15日間毎日、協会に出勤します。本場所以外では部署ごとに出勤する日、しない日は異なります。私もすべての部署の仕事を知っているわけではありませんが、巡業や地方場所担当は忙しかったですね。
巡業は春夏秋冬、年に4回。1回の巡業で多い時には十数カ所を回ることもあります。基本、巡業部が勧進元と話し合って宿や会場の手配をするのですが、意外と大変なのが巡業の先発です。これは所属部署に関係なく、主に若い親方の仕事。蒼国来も断髪式が終わったので、話が来るかもしれませんね。
会場や宿舎が決まっても、細かい決め事はたくさんあります。例えば、会場の土俵の位置や、力士の控室はどうするのか。宿も三役以上はこういう部屋でなければいけない、などなど。部屋の割り振りが決まったら、それを宿の前に張り出す。私が若い時に巡業の先発をやっていた頃は、こんな感じでした。こうしたことを先発の親方はひとりで決めなければならないので、大変でしたね。
現在はコロナ禍で巡業の数も減っていますが、これからは少しずつ増えていくと思います。もし、みなさんの地元に荒汐親方が来たら、声をかけてやってください。(つづく)