W杯スタジアムの工事現場は「地獄のような環境」 事故や熱中症で6500人超の労働者が落命
ボンジーア!(こんにちは!) ボクは10日にカタールに入ったよ。あんまり盛り上がっていないな。というのも問題が山積しているからなんだ。
カタールが巨額の費用を投じ、彼らが満足するリッチなW杯を実現しようとしていることは、これまで話してきたよね。だけど、その舞台となるスタジアムは、多くの犠牲者の上に立っているんだ。
カタールの人口は約290万人。実はカタール人は10%しかいない。あとは南アジアやアフリカからの労働者がほとんど。W杯関連の工事も彼らが担っていた。
クレージーな数字を見て欲しい。英紙ガーディアンの報道によると、カタールが開催国に選ばれた2010年12月以降ナント! 6500人を超える労働者が命を落としたっていうんだ。死因の多くは工事中の事故、そして熱中症だ。
ボクはこの4年間で計5度、カタールの地に足を運んだ。「W杯の本当の姿を知るためには、その過程も見ないといけない」というのがボクの持論だからだ。
ある時はインド人の労働者にヘルメットを借りて、工事現場に潜入したんだけど、彼らの労働環境はホントにホントに酷くて、まるで地獄のようだった。気温50度の炎天下で何時間も働かされ、飲料水はすぐにお湯になってしまう。母国に逃げ帰りたくても「雇用主にパスポートを取り上げられている」と嘆いていた。