伊東vsラウム、久保vsキミッヒ…日本vsドイツのカギを握る両サイドの“ガチンコ対決”を占う
久保がドリブルでキミッヒを抜き去る光景は浮かばない
チーム唯一の「21世紀生まれ」の久保(21)は10歳の時にスペインの名門バルセロナの入団テストに合格。スペインに渡った。2015年に帰国して、FC東京入り。19年にバルセロナの宿敵レアル・マドリードとプロ契約を交わし、レンタル移籍先でプレーしながら7月、レアル・ソシエダに完全移籍。左サイドアタッカーのレギュラーとして、チームの暫定3位の原動力となっている。
欧州を代表するビッグクラブのバイエルン・ミュンヘンでプレーするキミッヒ(27)は、大方の予想スタメンでは「守備的MF(ボランチ)」とある。16日に行われたオマーンとのテストマッチでも、守備的MFゴレツカに代わって後半から登場した。しかし、鈴木氏は「ドイツ代表のフリック監督は右サイドバックの先発要員として考えている」とこう続ける。
「キミッヒは、もともと右サイドバックの選手として頭角を現し、たとえば12日のブンデスリーガ15節・シャルケ戦では右サイドバックとして先発フル出場。2-0の勝利に貢献している。ドイツ代表では、ダブルボランチの右でプレーすることが多いが、W杯本大会では右サイドバックで起用されると予想します」
そうなると久保の<トイ面>にキミッヒが立ちふさがり、試合を通じてガチンコ勝負が展開されることになる。
「典型的な技巧派レフティーの久保は、17日のカナダとのテストマッチを見てもコンディションに問題はなく、ドイツ戦では先発に名を連ねるでしょう。ただし、久保がドリブルを仕掛けてキミッヒを抜き去る光景は、何回シミュレーションしても浮かんでこない。久保はドリブルで縦に突破していく力もあるし、中に切り込んで味方選手との連係からシュートに持ち込むのも得意だが、フィジカル能力、危機察知能力、ポジショニングの巧妙さ、攻守の切り替えの早さなど総合的に上回っているキミッヒが、久保との1対1の勝負に勝って攻め上がり、右サイドアタッカーのニャブリらとのコンビプレーで日本ゴールを脅かすシーンを多く目にすることになるでしょう」(鈴木氏)
キミッヒは20歳でバイエルン・ミュンヘンに移籍後、右サイドバックとボランチ以外にセンターバック、右サイドMFのプレー経験もある。代表70試合・5得点。久保よりも格上のユーティリティー選手のキミッヒが攻守に躍動すれば、森保ジャパンの勝ち点ゲットは至難の業となる。