Rソックス吉田正尚「5年124億円」は、低予算で強豪球団の礎を築いた敏腕がはじき出した
ハイム・ブルーム(最高編成責任者/39歳)
5年総額約124億円。予想外の大型契約の裏に敏腕幹部の緻密な計算があったようだ。
レッドソックスの編成担当責任者を務めるブルーム氏は、ライバル球団レイズの運営部門に所属していた際、マイナー選手育成法の確立、限られた予算で効果的な補強を行うなど、編成面で手腕を発揮。金満球団ひしめくア・リーグ東地区で強豪に押し上げた実績を評価され、運営部門の副社長に昇格し、2019年にレッドソックスに引き抜かれた。
低予算の球団で成果を上げた実績を評価されたからだろう。ぜいたく税支払いを回避したいジョン・ヘンリー・オーナーの意をくんで、人件費削減に取り組んだ。20年2月には年俸約22億円の外野手ベッツを若手有望株との交換でドジャースに放出した。
「レッドソックスではレイズ時代に培った独自の選手評価基準を基に編成を行っていますが、優秀なブレーンの存在も無視できない。FA、トレードの決定にはオハロランGMら野球運営部門の幹部4人程度による合議制を敷いており、効果的補強に努めている。レイズ時代のように、レッドソックスでも有望な若手を獲得してマイナー組織の充実も図っています」(米放送関係者)