Rソックス吉田正尚「5年124億円」は、低予算で強豪球団の礎を築いた敏腕がはじき出した
ブルーム氏はビジネス面でも抜かりない。コロナ禍により60試合制に短縮され、無観客で実施された20年は目立った補強を行わず、人件費を抑制した。この年は投手陣に故障が続出したこともあり、球団史上最低の勝率4割で地区最下位に終わったが、ブルーム氏は大幅な収入減を見越し、勝敗よりも球団の収支を優先したともっぱらだ。
ここ数年は主力選手を放出しており、昨オフはFAになったシュワーバー外野手(現フィリーズ)、ペレス投手(現レンジャーズ)らとの再契約を見送った。その結果、2年ぶりの最下位に終わった。
「チーム再建中のレッドソックスにとって、得点力を増すためにも出塁が見込めるリードオフマンの補強は今オフの優先事項の一つだった。ブルーム氏が吉田の入団会見で『早くから注目し、獲得に向けた準備を怠らなかった』と話した通り、長期間にわたって調査を続け、最終的に同氏を含めた複数の幹部が『ぜひ獲得すべき』と判断したのでしょう。やり手の幹部たちがはじき出して5年約124億円の大型契約で迎えただけに、吉田はメジャーに適応するまで長い目で見てもらえるのではないか」とは前出の放送関係者だ。