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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

「WBCのパワーバランス」米野球誌の下馬評は1位ドミニカ、2位日本、3位米国

公開日: 更新日:

 この「ベースボール・アメリカ」のパワーランキングで、もう一つ気が付くのは、第2回大会以降低迷していたメキシコが6位にランクされ、強豪国のイメージがあるキューバが10位までランクを下げていることだ。

 これはメキシコが強力な先発投手を擁していることに加え、士気がいつになく高いからだ。逆にキューバは亡命者続出で士気が低下していることがマイナス要因になっている。

 両国の士気の高低が如実に表れたのが、先月上旬に開催されたカリビアン・シリーズだ。このシリーズはカリブ海周辺の8カ国(ドミニカ、ベネズエラ、コロンビア、パナマ、メキシコ、プエルトリコ、キューバ、キュラソー)のウインターリーグ優勝チームが一堂に会して覇を競う大会。メンバーの入れ替えが可能であるため各国は強力な助っ人をどんどん組み入れて優勝を目指す。そのため資金力があり、かつ勝つ意欲のある国が優勝し、そうでないチームは下位に沈む。

 先月、行われた同シリーズでは、やる気満々のメキシコが優勝し、キューバが最下位に沈んだ。キューバはWBCに日本でプレーするモイネロ、R・マルティネスらをメンバーに加えて臨むが、先発に人材を欠くため苦しい戦いを強いられることになるだろう。強豪国というイメージは、すっかり過去のものになった。

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