三冠王・村上宗隆が三振王転落へ…狂う歯車の元凶は大谷翔平でもWBCでもあらず
開幕前に行われたWBCでは日本の4番と期待されながら、全7試合に出場して打率.231、1本塁打、6打点。大谷翔平(エンゼルス)の規格外の打球、飛距離を目の当たりにし、完全に自分の打撃を狂わせてしまったと見る向きもある。当然、前倒しで調整した疲労もあるだろう。
「いや、村上の不振は大谷が原因でも、WBCが原因でもないと思う。実は昨季終盤から、チーム内では今のスランプが懸念されていました」
と、ヤクルトOBがこう言った。
■記録更新に過剰な注目が
「昨年9月13日に王さんの記録に並ぶ55号を放ったあと、10月3日の最終戦前まで13試合57打席連続で一発が出なかったでしょ。記録更新に過剰な注目が集まり、一発を打たなければと打撃フォームを崩したのが原因です。昨季の9月、10月の成績は打率.221、7本塁打、14打点。8月が.440、12本塁打、25打点だったことを考えれば急降下。すでに不調の兆候はあったのです。ちなみに日本シリーズも7試合で.192、1本塁打、5打点だった。オフと今春のキャンプで修正しなくてはいけなかったのですが、オフは各方面から引っ張りだこ、キャンプも2週間ちょっとで日本代表に合流した。そこから1カ月以上もチームを離れたので、ヤクルトのコーチが手をつけられなかった。昨季終盤の悪い状態のまま今季に突入したも同然ですから」
三冠王から三振王へ──。そう揶揄する声もあるが、村神様の復活にはまだ時間がかかりそうだ。