投手大谷は“投げ急ぎ”が顕著…「走者あり」の投球間隔では他球団エースと1秒以上の差
エンゼルスの大谷翔平(29)が日本時間15日、今季8勝目(4敗)をかけて後半戦初戦のアストロズ戦に登板する。球宴前日の会見では、後半戦の課題に投球を挙げ、こう自己分析していた。
「投げる前の準備段階、セットしている段階での動き始めの部分で良くない印象がある」
投球動作に入る際、始動がしっくりこないようなのだが、これは今季から導入されたピッチクロック(投球間隔制限=走者なし15秒以内、あり20秒以内)と決して無関係ではないだろう。
大谷はシーズン序盤にピッチクロック違反を2度犯したこともあり、投げ急ぐ傾向がある。
大谷の今季の投球間隔は走者なしが平均15.3秒、ありが17.9秒。これは他球団のエース級と比べて速い。特に走者がいる場合、例えば各リーグの奪三振数トップの2人、ブルージェイズのガウスマン(153個)、ブレーブスのストライダー(166個)はピッチクロックをフルに活用しており、ともに19.7秒。先の球宴で先発を務めたヤンキースのコール(9勝2敗、防御率2.85、123奪三振)は18.6秒、ダイヤモンドバックスのゲーレン(11勝3敗、防御率3.04、125奪三振)も21.6秒と、各球団のエースは走者を背負うと、サイン交換に時間を費やすなど、より慎重に投球していることが分かる。