徳島商監督に聞く伝統校の変化「野球さえしとったらいいという昔の徳商には戻したくない」
──というと?
「『徳商だからこうしなければならない』とか思っている気がしますね。だから、『そこまでいい選手が来てるわけではないし、おまえら下手なんだからそんなん気にしなくていい』って言いました(笑)。結局、自分が上手だと勘違いしたら伸びませんので」
──一方で、鳴門があれだけ強いと有望な選手も流れていきそうですが?
「うちは大学進学や就職もちゃんと面倒見てて、大学の進学実績も一番いいところなので、それで来てくれる子は多いですね」
──野球だけでなく大学受験も重視しているところなど、徳島商も価値観が変化している。
「そうですね。今は進学する人も増えましたし、昔は野球でメシ食えばええんやろというような考え方、野球さえしとったらいいという考え方だったんですね。けど、ほとんどの子が野球でメシを食えるはずないですからね。それは違うだろうと。私も卒業生ですが、そういうところだけは、昔の徳商に戻したくないところです。学校生活だったり、高校生としてだったり、人としての礼儀が一番大切だろうというのは一番言っています。甲子園行ったら素晴らしいじゃないっていつも言います。甲子園行くための努力で成長するヤツが素晴らしいって」