大谷翔平は“打者専念”でも買い叩かれない! 新契約が「10年700億円」規模になる根拠
投手をやらないことには多くのプラス面が
投手をやらないことのプラス面を指摘するのは野球文化学会会長で、名城大准教授の鈴村裕輔氏だ。
「大谷は打者として試合に出場しながら、投手もやっていた。打者と投手、両方の調整が必要でしたが、野手一本となると投手としての調整をしなくて済む分、これまで以上の数字を残すことが考えられます。いよいよ50本塁打に近づき、メジャーの歴史に名を残す天性の長距離打者として評価されるでしょう。投手だけに肩が強く、俊足で守備範囲も広い外野手になる可能性が高い。パイレーツ時代のバリー・ボンズのような5ツールプレーヤーであれば、年俸は60億~70億円程度になるかもしれません」
■日本ブランド22社がエンゼルスタジアムに出資
前出のスカウトが、打者専念でも「700億円程度の契約」とみる理由は、グラウンド内の評価に限らない。「大谷は広告収入など球団にもたらす付加価値が大きい」というのだ。
前出の鈴村氏がこう言った。
「球場の外野フェンスやスコアボードの上などに企業名を入れるスポンサー広告は年間1億~3億円、イヤーブックや球団発行の小冊子に社名やロゴマークなどを入れられるパートナーになると年間5億~10億円と言われる。グッズに関してはロイヤルティーとして原価分は機構の収入になりますけど、定価との差額分は球団に入ります。チームに大谷がいれば広告を出す企業も観客も増える。年間シートの売り上げは変わってきますし、入場料収入も増えるでしょう。メジャーでもトップクラスの人気があるだけに大谷は球団に破格のお金をもたらしますよ」
米調査会社の「スポンサー・ユナイテッド」が昨年10月に発表した「MLB2022 Marketing Partnerships Report」によると、大谷のスポンサーはメジャートップの17社。22社もの日本ブランドがエンゼルスタジアムに出資したというから、大谷効果は絶大。打者専念だろうと新たな契約が破格になるのは間違いない。