エンゼルスが描く「大谷翔平 1年40億円で残留」の青写真…右肘靱帯損傷で市場価値が大暴落
メジャーで唯一無二の二刀流が一本の刀を失った。
日本時間24日、レッズとのダブルヘッダー第1試合で二回途中に緊急降板した大谷翔平(29)が右肘靱帯を損傷し、今季の残りの試合に登板しないことになった。
第2試合終了後に急きょ、会見したペリー・ミナシアンGMは「ダブルヘッダーの1試合目と2試合目の間に受けた精密検査の画像に断裂が見られた」と説明した。
大谷は渡米1年目の2018年10月に肘の靱帯を修復するトミー・ジョン(TJ)手術を受けた。2度目のメスを入れる可能性について同GMは「セカンドオピニオンを求める予定だ」と、肘の専門医や他球団のチームドクターの診断も仰ぐと明かした。
■NY遠征はDHで出場
靱帯損傷の判明から一夜明けたこの日、エンゼルスは大谷が26日からのニューヨーク遠征(対メッツ3連戦)に同行、指名打者として試合に出場すると発表した。
今季の大谷は開幕前から投打の二刀流としてフル稼働。3月のWBCでは侍ジャパンの3大会ぶりの世界一に貢献し、MVPを受賞した。WBC決勝から9日後のアスレチックス戦で2年連続の開幕投手を務めると、その後は原則中5日のローテで登板してきた。24日時点で128試合中、実に126試合に出場している。
投手ではここまで23試合132イニングを投げ、10勝5敗、防御率3.14、167奪三振。ア・リーグのサイ・ヤング賞候補にも挙がっていたが、フィジカルへの負担は大きく、マメや爪の割れに悩まされることもしばしば。今月4日のマリナーズ戦では右手中指のけいれんで5回を持たずに降板した。前回10日のジャイアンツ戦で2年連続2ケタ勝利を挙げて以降は、右腕の疲労を訴えて登板を延期。万全を期して臨んだはずのマウンドで最悪の事態を招いた。
フル稼働した挙げ句、投手の生命線である肘の靱帯を傷めたのは大谷自身の過信に加えて、「球団の起用法に大きな原因があるのは明らかです」と米放送関係者がこう続ける。
「エンゼルスのGM以下首脳陣は『ショウヘイは自分の体のことをわかっている』などと、調整法はもちろん、出場の可否まで本人の判断に委ねてきた。今オフの再契約を見込んで、大谷のヘソを曲げたくない思惑があったからです。メジャーでは故障を防ぐため、若手であっても定期的に休養を与えるのが一般的。心身への負担が大きい二刀流の大谷こそ、他の選手以上に休みが必要だったにもかかわらず、エ軍は大谷のオーバーワークに目をつぶってきた。今回の故障は起こるべくして起きたといえるでしょう」
ミナシアンGMは「彼(大谷)は最近、痛みに耐えていた」と明かしたが、早めに手を打たなかったことも今回の故障につながったに違いない。