ラグビーW杯 日本代表がチリに圧勝発進も…次戦イングランド戦へ露呈した「不安と課題」
マシレワの軽率プレーは次戦では致命傷に
FBにセミシ・マシレワを入れて松島幸太朗を14番に起用したバックスリーの連係も良くなかった。
特に、後半立ち上がりにジャパンが自陣から攻めたときに、マシレワが意図不明なキックを蹴ってチリにボールを与えた場面は、厳しく検証されるべきだ。おかげでジャパンはあわてて防御に戻らざるを得ず、それが遠因となってCTBディラン・ライリーが故意ノックオンでシンビンとなっている。
チャンスをつぶしただけではなく、さらにピンチまで招くような軽率なプレーは、イングランド戦では致命傷になりかねない。
バックスリーの連係を良くするために、両WTBとFBに誰を起用すればいいのか。これも、イングランド戦に向けたポイントだ。
■相手に“嫌な感じ”を与え続けたイングランド
ジャパンは、この試合で6トライを挙げて勝ち点5をゲット。アルゼンチンを27対10と破ったイングランドを抜いてプールDの首位に立ったが、この時点での順位にさほど大きな意味はない。
それよりも、立ち上がりに退場者を出し、70分以上を14人で戦うピンチに追い込まれたイングランドが、そこからキックで着々と点数を重ねてアルゼンチンのやる気をそいだ戦い方がなんとも不気味だ。
常に点数的に優位に立って、相手に“嫌な感じ”を与え続けたイングランドと、80分間試行錯誤を繰り返したジャパン。果たしてジャパンは、この1週間で、したたかな戦い方を80分間貫き通すだけのタフさを身につけられるのか。ベスト4以上の行方はその一点にかかっている。