ヤンキースとドジャースは「大谷翔平より山本由伸」に照準 ともに投手が最大の補強ポイント

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20球団が獲得に名乗り

 米メディア「スポーティング・ニュース」は27日(日本時間28日)、今オフのFAランキングを掲載。山本は1位の大谷翔平(29=エンゼルス)に次ぐ2位に入った。今年のメジャーのFA市場は不作を通り越して「凶作」。だからこそ大谷はもちろん、山本も含めて激しい争奪戦になるのは必至だ。ア・リーグのスカウトの話。

「総額800億円ともいわれる大谷を取りに行くのは限られた球団でしょうけど、200億円超の山本に対しては20球団くらいが獲得に名乗りを上げるという見立てもあるほど。先発2番手クラスの評価で、ごく一部を除く大半の球団はその程度の金額をつぎ込む資金力があるからです。ただし、マネーゲームに発展した場合は、最終的に金満球団による争奪戦になって、金額がハネ上がる可能性はあります」

 大谷は別格として、山本は大半のメジャー球団が手の届く金額の選手ゆえに、激しい争奪戦に発展するかもしれないというのだ。

■先発陣の整備は不可欠

「なにしろヤンキースもドジャースも今オフの最大の補強ポイントは投手で、大谷より山本というスタンスだと聞きましたから」と、米コラムニストのビリー・デービス氏がこう続ける。

「7年ぶりにポストシーズン進出を逃したヤンキースは今季、2ケタ勝利をマークした投手がエースのコール(33)ひとりだけ。昨オフ、コールに次ぐ先発2番手として6年243億円で獲得した左腕のロドン(30)は3勝8敗、防御率6.85と期待を裏切った。生え抜きのセベリーノ(29)にしても20年にトミー・ジョン手術をして以来ケガがちで、18年に19勝した力はない。ドジャースはレギュラーシーズンで100勝しながら、プレーオフ初戦の地区シリーズでダイヤモンドバックスに3連敗した。エースのカーショー(35)とリン(36)はいずれもオフにFAとなるベテラン。21年に20勝して最多勝を獲得したウリアス(27)は9月に2度目のDVで逮捕され、MLBが休職扱いに。復帰のメドは立たないままです。こちらも先発陣の整備は不可欠ですからね。ヤンキースもドジャースも来季、巻き返せるチームをつくりたいだけに、今オフのターゲットは手術明けで投げられない大谷よりも山本なのでしょう」

 その山本は30日、シーズンで最も活躍した先発に贈られる沢村賞を受賞。3年連続の受賞は400勝投手の金田正一以来65年ぶり、2人目になる。「いままで活躍してこられた大先輩の方に選んでいただける賞なので、すごくうれしく思う」とは受賞後の本人。

 日米ともに頂上決戦が行われている裏側で、大谷や日本球界を代表する右腕をめぐる争奪戦の火蓋はすでに切られているようなのだ。

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