花巻東・麟太郎が米国留学決断も…最高峰NCAA留学生が明かす華やかな世界の「表と裏」
麟太郎は米国ではすでに有名人
そんな二人が口をそろえるのは、麟太郎がすでにアメリカでも有名人であるということだ。
「チームメイトはみんな彼のことを知っています。日本の高校生のトップが留学するということで、やはり話題になっている。この前はチームメイトに『こいつって凄いやつなの?』と聞かれました(笑)」(植本さん)
「確かに、みんな彼のことを知っていますね。大谷翔平さんはもちろんこっちでも有名ですが、その恩師の佐々木洋監督の息子ということで注目されているようです。監督には『彼をうちに連れてきてくれ』と言われました(笑)」
それだけ注目されれば、留学の理由の一つである「静かな環境でプレーする」という目的は果たせないのではないか。
「アメリカには他にも注目される選手がたくさんいます。それを心配するほどではないでしょう」(根岸さん)
日本の大学とは違い、米国の大学では、せわしなく試合をこなすことになる。
「アメリカでは季節ごとに違ったスポーツをする文化があり、野球は春のスポーツです。大学野球のシーズンは春で、それ以外の季節は自主練や、チームで練習を行います。シーズン中は60試合程度を戦うことになりますが、とにかく移動が大変です。飛行機ならまだましですけど、バスで12時間の移動ということもあります。サマーリーグという夏に行われるリーグ戦の試合も含めると、70試合程度を戦うことになります。肉体的にもきついですが、その分とにかく試合数、打席数が多く経験を積むことができます」(根岸さん)
連日の試合に忙殺される中でも、学業はおろそかにできない。
「文武両道が前提であり、成績が一定の水準に達していなければ部の活動に参加できなくなります。当然、忙しいシーズン中でも勉強は欠かせません。夜10時に試合から帰ってきて、課題をやるということが多く、多くの部員が四苦八苦しています。特にディビジョン1の大学は、野球のレベルが高い大学になればなるほど、勉強のレベルも高くなります。佐々木麟太郎君が見学にいったバンダ-ビルト大学は野球でトップクラスなのはもちろん、勉強のレベルも相当高いはずです」(植本さん)
麟太郎ははたして米国の厳しい環境下に耐えられるのか。