花巻東・麟太郎が米国留学決断も…最高峰NCAA留学生が明かす華やかな世界の「表と裏」
プロ志望届を提出せず、アメリカへの留学を決断した花巻東の佐々木麟太郎(18)。9月中旬には母校の先輩である菊池雄星(32=ブルージェイズ)の代理人を務めるスコット・ボラス氏の事務所のアテンドにより、強豪のバンダービルト大学などを現地で視察していた。
アメリカの大学野球リーグにはいくつかのカテゴリーがあり、選手は実力に合った大学に所属しプレーしている。中でも最高峰のリーグが全米大学体育協会(NCAA)のディビジョン1だ。麟太郎もディビジョン1に所属する大学への進学を目指すといわれているが、野球のレベルが高いことはもちろん、日本の大学野球とは大きく様子が異なるという。
神奈川・向上高校卒業後、2年間のカレッジでの野球生活を経てディビジョン1に所属するロングアイランド大学に編入し、投手としてプレーする植本達也さん(22)は、チームの潤沢な資金力についてこう話す。
「バットやスパイクなど、道具は支給されますし、グローブは自分の好きなようにオーダーできます。僕は監督からグローブメーカーのホームページのリンクがメールで送られてきました。そのページで自分の好きなようにカスタマイズして注文したら、実際のグローブが送られてくる仕組みです。大学のロゴなどもグローブに入れることができて、僕は日本の国旗をグローブに入れました」
試合の様子もにぎやかになる。慶応高校で甲子園に出場し、ディビジョン1所属のミドルテネシー州立大学を経て、現在はノース・カロライナA&T州立大学で野手としてプレーする根岸辰昇(23)さんに試合の様子について聞くと、まるでプロだ。
「試合では花火が打ち上がることもありますし、選手それぞれの登場曲が流れたり、試合の前にハイライトのビデオが流れたり、球場に専属のアナウンスの人もいます。たまにイベントが開催されることもあって、ファールボールをキャッチすると地元のレストランの食事券がもらえるなんてこともあります」