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六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

J初代チェアマン川淵三郎さん文化勲章受章 87歳でも持論熱弁、そして今後の軸足は?

公開日: 更新日:

87歳でも10分間も記者団に熱弁を

 来賓の前では妻・康子さんへ感謝を述べる際、感極まって言葉に詰まった川淵氏だが、マスコミとの囲み取材に移るといつもの「川淵節」が炸裂した。

「挨拶で十分に言えなかったんですけど、やっぱりスポーツが嫌いっていう人に対しても、あのボッチャのような、初めてやっても一緒に楽しく仲間としてやっていけるようなスポーツを新しく開発していくことが重要じゃないかな、と思います。そういった話も今日はしたかった。新しい競技、種目の発明っていうのがね、大事じゃないかな、って思います」と本音をポロリ。

 さらに立て板に水のように持論を展開した。

「スポーツ文化っていうのは、文化(全体)の中でもあるのか、ないのか、一番下に位置するぐらいの存在だったのが、2022年にサッカーがワールドカップであれだけの活躍をして、この1年、ありとあらゆるスポーツが日本国中の人に幸運と感動を与えましたよね。サッカーの活動に刺激を受けてWBCが世界一になり、世界陸上や国際陸上だとか、バスケットボールが48年ぶりに、(男子)バレーボールが16年ぶりに(パリ五輪の出場を権獲得した)とか、そういうのが続いてきたので、日本のスポーツはもの凄くレベルが上がったというふうに世間の人は思っていますが……」と前置きし、スポーツ界の課題について熱弁をふるった。

「1985年くらいから比較すると、子供たちの運動能力は明らかに落ちているんですよね。子供たちの運動能力、身体能力を(どう)高めていくか、日本にとって一番大事だっていうことを、多くの人に理解してもらいたいと思います。大谷選手の活躍だけに目を奪われるんじゃなくて、子供たちが伸び伸びとスポーツをして、遊びを通じて自然に体幹を鍛えられるというふうなことをもっと多くの人が考えるべき。日本の子供たちの体力は明らかに下降線を辿っていることを、多くの人が認識すべきだと思います」

 そして自身の今後の活動の軸足をどこに置くのか、こう語った。

「やっぱり草の根の人たちの遊び場、遊びながら自然に体が鍛えられるような、そういう世の中をこれから作っていかなければならない、と。想いはそちらの方ですね。トップアスリートよりも、むしろ草の根の活動を重視してほしいと思います」

 12月3日に87回目の誕生日を迎えた。

「生きている限り、ボケない限りは一生懸命に尽力したい」と囲み取材を締め括ったが、10分近く立ちっぱなしでエネルギッシュに話し続ける姿を見ていると、今後も「夢(DREAM)」に向かってまい進することは間違いないだろう。

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