現役ドラフトでヤクルト移籍の北村拓己に「脱・巨人」の期待 同級生の田口麗斗が成功例
現役ドラフトで巨人からヤクルトに移籍した北村拓己(28)が15日、都内の球団事務所で入団会見を行った。内野の全ポジションを守れるユーティリティー性やパンチ力のある打撃が高く評価され、現役ドラフトでは最も人気を集めたといわれる。セ・リーグ間での移籍となったが、古巣巨人への思いを問われると「負けたくないという気持ちは強いと思うので、しっかりとやっつけたいと思います」と意気込んだ。
北村の本職はショートだが、レギュラーには坂本勇人が君臨していた。今季の二軍戦の成績は68試合で打率.305、OPSは.872とアピールしたものの、若手の門脇が台頭したことで、一軍では27試合で打率.206、本塁打、打点はともに0に終わった。巨人はFAなどで補強した外様選手が優遇され、生え抜きのチャンスがなかった。今季まで通算17年間指揮を執った原前監督からは事実上の”構想外”扱いを受けていた。
そんな巨人には、環境を変えれば化けそうな選手がゴロゴロいる。最近の代表例が、2021年3月に巨人からヤクルトにトレードされた同級生・田口麗斗(28)だ。巨人で先発として活躍し、16年に10勝、17年には13勝と2年連続2ケタ勝利を達成。その後は中継ぎも経験。ヤクルト移籍後の21年にはリリーバーとして開眼し、昨季は中継ぎで45試合に登板。今季はクローザーの役割を担い33セーブ。環境が変わって水も合ったのか、すっかり息を吹き返した。
ヤクルトは野手陣の高齢化が進んでいることなどもあり、北村の出場機会は増えることが予想される。新天地でノビノビとプレーし、「脱・巨人」の先輩とまではいかずとも、レギュラーの座をつかみたいところだ。