プロ野球史上ワースト連敗の舞台裏 「マリーンズのファンは世界一」と思う根拠
左足を痛めていた私は11連敗を喫した6月27日以来のスタメン復帰を果たす。
この日は3試合連続で抑えに失敗してから中10日の間隔が空いた黒木知宏が先発。鬼気迫る投球で3-1で九回裏を迎える。
黒木の直球は140キロ台半ば。一時130キロ台に落ちたが、最終回になって140キロ台にアップした。先頭のイチローを三振に取り、2死一塁までこぎつけた。
あとひとり──。打者のハービー・プリアムを1ボール2ストライクと追い込み、ついに勝利まであと1球である。私はすでにベンチに下がっていた。まさか、黒木の体に異変が起きているとは、この時は誰も知らなかった。