プロ野球史上ワースト連敗の舞台裏 「マリーンズのファンは世界一」と思う根拠
●関連記事【前回】12連敗した遠征先はお通夜状態…小宮山悟さんは自ら肘に針を刺して流血しながらマウンドに立った からつづく。
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1998年7月3日。13連敗中の我がロッテは「連敗ストッパー」の小宮山悟さんがダイエー戦に先発。後で知ったことだが、六、七回から肘が張ってきたため、攻撃中にトレーナー室に直行すると、「感覚を取り戻すため」と自ら肘に何度もハリを刺し、大量に流れる血を止めながらマウンドに上がっていた。私はベンチにいたが、騒ぎになることはなかったから、みんな知らなかったのではないか。周囲に口止めをしながらやっていたとしたら、凄まじい執念である。
そんな志願の9回4失点完投も報われず14連敗。翌4日、本拠地マリンスタジアムに神主がやってきた。球団が「おはらい」を頼んだのだ。
試合前にやるなんて前代未聞。ある主力野手は「ここまでしないと勝てないのか」といら立ち、別の主力投手は「余計なことするなよ」と吐き捨てた。
ただ、私は当然だと思った。連敗が10を超えるあたりから、普通なら勝っている試合を何度も落とした。何かに取りつかれている気がしてならなかったからだ。