勝利まであと1球から17連敗…1998年「七夕の悲劇」全真相、翌日も負けて最多連敗記録18に
【第8回 プロ野球史上ワースト連敗の舞台裏 「マリーンズのファンは世界一」と思う根拠】からつづく。
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16連敗中のロッテは3-1の九回2死一塁。勝利まであとひとりのところまできていた。
先発の黒木知宏がオリックスのハービー・プリアムを1ボール2ストライクと追い込んだ。ここまで投じた4球は全てアウトコース。勝利まであと1球となったところで、捕手の福沢洋一がインコースに構えた。ベンチにいた私は、えっ? と思った。
センターの堀幸一も同じ気持ちだったそうだ。2点リードで走者は1人。打席には助っ人外国人だ。同点本塁打だけは絶対に避けたい場面である。そこでなぜインコースなのかと……。あっ、と思った瞬間、黒木の147球目は福沢が構えたプリアムのベルト付近より低い膝元へ。「待ってました」とばかりにすくい上げられた打球は、レフトポール際へ吸い込まれた。黒木はそのままマウンドで崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。
内野陣がマウンドに集まり、「ジョニーまだ同点だ!」と励ましたが、全く反応がない。