「もっと強いチームでやりたかった…」近藤昭仁監督はこう言い残してロッテを退団した
打率や防御率を見ても、この年のロッテは決して弱くなかった。戦力的にも充実したチームだっただけに、あの18連敗は何だったのか。明確な答えは見つからない。
■18連敗からファンが急増
18連敗もしたのに、チーム内で内紛が起きることはなかった。雰囲気も悪くなかったのは、チームの特徴かもしれない。
当時から先輩、後輩の上下関係や派閥のようなものもなく、実に仲のいいチームだった。
ただ、チームがうまく回らない時、ナインを集めてミーティングをしたり、苦言を呈したり、鼓舞したりするようなキャプテンシーのある野手がいなかった。この年のキャプテンはフリオ・フランコだ。助っ人にこれを求めるのは酷である。本来は私か堀幸一がやらなきゃいけなかった。これは大きな反省点である。
18連敗後に大きく変わったことがある。
日本ワースト記録に並んだ日、「俺たちがついてるぜ」と応援歌を歌ってくれたファンが急増したのである。明らかにマリンスタジアムに観戦に訪れるお客さんが増え、「12球団で一番」とも評される統率の取れた応援もこの後から。
ファンが増えたきっかけが連敗記録というのは気恥ずかしいが、私はよくファンに「18連敗で初めて球場に行きました」などと声を掛けられるので間違いない。
実際にこの年、ファンクラブの会員が2万人から3万人に増えたという。