下積み時代のポール牧さんの無断居候を「知ってたよ」…黙認していた元横綱栃錦の懐の広さ
「指パッチン」で知られたコメディアンのポール牧さんが、1970年代にコント・ラッキー7で売れるまでの下積み時代、春日野部屋に居候していたエピソードは知る人ぞ知る。
春日野親方(元横綱栃錦)に内緒で若い衆の大部屋で寝泊まりしていたという。「ホラ吹きポール」の異名もあったので、のちに春日野親方に真偽を尋ねてみた。
「そうなんだよ。夜中に大部屋がにぎやかだからのぞいたら、見慣れないやつが若い衆を笑わせてる。若い衆も何かと大変だから、楽しませてくれてるならいいかと思って黙ってた」
相撲部屋が大所帯で人の出入りが多く、のどかな時代でもあったが、いつまでもいられない。ポールさんが大目玉を覚悟で謝罪と挨拶に来た。親方は答えたという。
「知ってたよ。まあ、あんたも頑張りなよ」
「栃若時代」を築いた元横綱初代若乃花の二子山部屋では、絶対に分からないように帰ってきた「午前様」を師匠に言い当てられた弟子が、「なぜ知ってるんだろう」と首をかしげた。