ピンポジションは試合展開を左右するだけではなく、プロの技術や心理戦の妙味などをファンに伝えられる
古江彩佳が3位で終えたブルーベイLPGA最終日。国内ツアーではあまり見られない位置にカップが切られていました。そもそも開催コースのグリーンは砲台が多く、起伏が激しい。ピンが立っているエリアに乗せるのさえ難しい。9番パー4のピン位置は奥行き31ヤードのグリーンで、手前22ヤード、右6ヤード。ピンと同じ面ではなく、かなり手前から攻めなければボールはほとんどグリーン奥にこぼれてしまいます。尾根を越えた位置にカップが切られたホールも多く、いつも以上にショットと距離の精度が求められました。この舞台で古江はボギーフリーの65。ショットメーカーの面目躍如たるプレーを見せてくれました。
ピン位置を決めるのは大会ディレクターですが、主催者の意見が反映されることもあります。ディレクターは試合展開を考え、初日から最終日までのピン位置を決めます。前日まで500ヤード以上のパー5をティーイングエリアを前に出すなどして450~460ヤードに設定し、攻めるプレーヤーにはイーグルチャンスを与えることは米女子ツアーではよくあることです。
スコアを伸ばそうと思えばグリーンに散水してソフトにすればボールは止まるし、逆に転圧ローラーで硬く締めれば、距離の短いホールでも簡単にバーディーは取れません。ピン位置によって選手のスコアはコントロールできるのです。