仁義なき「高校野球バット戦争」…メーカー同士で壮絶な密告合戦、足の引っ張り合い、広がる疑心暗鬼
この関係者はさらにこう続ける。
「違反バットが明らかになったこと自体は良いことです。ただし、センバツでは各メーカーから社員が派遣され、試合前にバットのチェックがあったが、そこでわかるのは壊れてないか、長さや重さに違反がないかなど、その程度です。もちろん、そんなバットはありませんでした。ただ、高野連もなぜ、違反した12メーカー全てを公表せず、一部だけ名指しにしたのか。公表する基準や公平性が疑われ、メーカーにさまざまな疑心暗鬼を生んでいるのです」
高野連は「5社を発表した時は、すべての内容を把握していなかった。その時点でわかったことを発表した」と本紙に説明したが……。
いずれにせよ、シェア率回復のためなら密告も辞さない仁義なきバット戦争。酷暑の中で試合をする球児と同様、こちらも汗と涙の美談では語れない。