トランプ銃撃事件は対岸の火事じゃない!パリ五輪開幕式に広がる恐怖、不可能な「完全警備」

公開日: 更新日:

 五輪にも大きな影響を及ぼしそうだ。

 パリ五輪の開会式(日本時間27日未明)が間近に迫る中、米国で演説中のトランプ前大統領が銃撃されるという衝撃の事件が起こった。ただでさえロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ問題など不安定な世界情勢の最中に開かれるパリ五輪。今回の銃撃事件でいよいよ警備態勢への不安が広がっている。

 なにしろ、今大会の開会式は夏季五輪史上初となる競技場外での開催。街のシンボルの一つ、セーヌ川が会場だ。恒例の入場行進は各国選手らが約80隻の船に乗って行い、パレード区間の約6キロの河岸や橋には少なくとも60万人の観客を受け入れることになっているのだ。当然、競技場で行う開会式に比べて警備範囲は広く、難度は格段に上がる。当初から安全確保が大きな課題とされていた。

 元警視庁警部補の牛島寛昭氏はこう話す。

「セーヌ川周辺に集まる観客全員のボディーチェックはハッキリ言って不可能です。周りにはビルや住居が立ち並び、襲撃するポイントもいっぱいある。船を使うとなれば、民間の警備員を装って観光船に機雷を仕掛けることも想定しなくてはいけない。しかも、屋外ですからドローンなどを使った上空からの攻撃リスクも増す。警備員に採用する民間人に関しても、厳しいチェックがあるとは思いますが、それぞれの思想をどこまで調べられるか。警備の穴はいっぱいある。安倍晋三元首相の件でも今回のトランプ前大統領の件でも分かる通り、警備というものに『100%』はないと考えなくてはいけません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…